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養殖技術

養殖技術の開発

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 七飯淡水実験所は、教員1名、技術職員1名、事務補助員1名と少人数で運営されています。そのため、大量の魚を省力・省スペースで効率よく育成する技術に特化しています。

サケマス類の養殖技術

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採卵

親魚を丁寧に取り上げ、顔をタオルで覆うことにより、暴れることなく採卵を行うことができます。麻酔を使用する場合もあります。体についた水は、採取した精子と卵を活性化させてしまうため、タオルでよく拭き除去します。腹を押すことにより、精子と卵を得ます。親魚は丁寧に扱うことによりダメージを最小限におさえ、翌年以降も親魚として用います。壊卵が多い場合はリンゲル液で卵を洗浄します。精子と卵を混ぜ、井戸水に入れることにより精子と卵が活性化し、受精が完了します。受精後は死卵を取り除き水産用イソジンを用いて受精卵を消毒し、培養へと進んでいきます。


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培養

多段式孵化槽を使用し、受精卵の培養を行います。井水を下から上へとかけ流し、湧水を再現することにより、高い孵化率を実現しています。また、多段式構造とすることにより、省スペースで大量の受精卵を培養することができます。一ヶ月ほどかけ発眼したら、検卵を行い、死卵を除去することにより、水カビが蔓延することを防ぎます。それでも水カビが発生する場合は、水産用医薬品のパイセスやメチレンブルーを用いて対処します。孵化直後の仔魚は光を嫌うため、孵化後も卵黄吸収が終わり、餌を食べ始める直前までは孵化槽に収容します。


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餌付け

孵化した稚魚は平槽へ移動し、浮上直前から給餌を開始し、餌付けを行います。餌付け用の配合飼料を大量に給餌することですべての個体に餌がいきわたるようにし、成長のばらつきを抑えます。残餌が多く出るため、こまめに掃除を行い、清潔な環境を保ちます。


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初期飼育

木村式養魚水槽を用いて井水により、省スペース・高密度で稚魚の飼育を行います。1年半ほどをかけ、10cmほどの大きさまで育てます。


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中間育成

 0.5tの水槽を使用し、井水で親魚候補の育成を行います。1年半ほどかけ、成熟する体長の30cm程まで育成します。また、屋外で飼育することにより日光を浴び、種本来の鮮やかな体色が現れます。


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親魚の飼育

 30cm程の大きさまで成長した親魚は屋外の飼育池へ移動し、河川水を用いて飼育します。広々とした環境で日光を浴び、また、真冬には0℃、真夏には18℃と四季の水温変化を受けることにより、良質の配偶子を持つ親魚へと育ちます。


木村式養魚水槽

○○○○○○○○イメージ 前技術職員、木村志津雄氏が開発した養魚水槽で、掃除をすることなく魚を飼育し続けることができます。円形のボトルを利用して作られており、ホースのまき癖を利用し入水時に水流を生じさせ、残餌や糞を中心部に集めます。水槽中央の排水用のパイプの外側に設置した一回り大きなパイプの底部のスリットより、底にたまったごみが吸い上げられ、常に清潔な環境で飼育を行うことができます。18?の水槽で最大500尾、3sの魚を育てることができます。

バナースペース

北海道大学七飯淡水実験所

〒041-1105
北海道亀田郡七飯町桜町2丁目9-1

TEL 0138-65-2344
FAX 0138-65-2239